ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
◇ひまわり◇



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「明奈!こっちこっち!」

「待ってよ、優里!」


あたし達は公園の道を走っていた。

蝉の声が耳障りなほど響いてて、眩しく照りつける太陽が暑さを際立たせてる。


「ほら、ここ!」


あたしは腕を広げた。


「うわぁ、きれーい!」


明奈は感嘆を吐いて、目を輝かせた。


「良いとこでしょ?」

「うん!」


目の前に広がるのは、満開の向日葵。

皆太陽の方を向いて育つ、眩しさを力に変える花。


「皋、見てる?」


今年も満開だよ。


「せっかくだから、中歩いてみない?」

「うん。キャ、蜂!」


あたしの言葉に笑顔で頷く明奈だったが、蜂が目の前を飛び去ったので悲鳴を上げた。

あたしはそれを見て笑った。


「ほらほら、置いてくよ」

「ちょ、待ってってば!」





鮮やかな空の下、あたしと明奈は向日葵に負けない満天の笑顔で眩しい黄色の中を走り抜けた。



ねぇ、皋──…


あなたが育てたあたしの花は、いつも満開です。







*end*
< 111 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop