ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
生まれた頃からこの真っ白な部屋に居て、話相手はいつも看護師さん。お見舞いも殆どないと言う。
「両親は?アンタがこんな長く入院してんだから、一回や二回は来るんじゃないの?」
あたしがそう尋ねれば、皋は淋しそうに俯いて、首を振った。長い前髪がその仕草と共にふるふると揺れた。
「両親は、俺が入院し始めた頃に事故で亡くなったと、看護師に聞きました。だから、本当にこうして、誰かと話すのは久しぶりで……」
そう言いながら、無理に笑顔を作る皋。あたしは何だかそんな姿を見て、自分のことでもないのに泣きそうになった。
誰かの前で泣くなんて、絶対有り得ないと思ってたのに。