ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
それから、あたし達は他愛の無い話をした。
あたしは学校のこと、友達のこと。
皋は入院生活の退屈さとか、良いところを話してくれた。
けれど、目が見えない所為もあってか、あたしの話の半分は理解できてないと思う。生れ付き目が見えないらしく、長さや大きさを表現するのが難しい。
けれど、あたしは嫌じゃなかった。むしろ、皋と話す時間は、学校で友達と話すことよりも、家でテレビを見たり漫画を読んだりするよりも、何よりも楽しかった。
その時、ふと皋の細い手があたしの腕を掴んだ。見えないはずなのに、その動きに無駄はなく、あたしはただただ目を見張る。
「これ、自分でやったんですか?」
彼はそう尋ねた。
あたしの腕の傷を、指で撫でながら。