ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜


どうしてそれが判るのかとか、見えないくせに何故あたしの腕を掴んだのか、とか。


聞きたいことは、言いたいことはいっぱい有るはずなのに。



あたしは驚いて目を見開くばかりで、言葉は何一つ口からは出なかった。

皋はあたしの腕の傷を探るように、しかし優しく撫でながら、「ねぇ」と言った。


「この傷は、ご自分で?」



あたしは、何も言えなくて、ただ、



「うん」



と頷くしかなかった。



「………こうしないと、こうでもしないと、生きられないから?」


皋はあたしの腕から手を離す。しかし、静かな口調であたしに尋ねていた。


「……そうだと思う。気付いたら、こうして腕切ってる」



まだ誰にも打ち明けてないというのに、初対面の男に見破られてしまうだなんて、とあたしは半ば絶望していたかもしれない。


しかも彼は盲目だ。



そんな彼が、出会ってすぐの彼が。



あたしの傷に気付いてくれたのだ──……





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