ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
* * * *
「優里、おはよ!」
あたしは校門をくぐっていた。いつものように自転車で擦り抜けていく友達が、あたしに手を振りながらそう言ってくる。
「おはよー!」
当然ながら、あたしも笑顔で返事をする。本当は、朝からこうして笑顔を作るのは疲れるから無視したい。
けれど、それでもこうしてしまうのは。
自分が取り残されるのが怖いからだ。
誰かの後ろ、誰かと一緒に行動して、誰かと合わせて行かないと、周りから浮いちゃって大変なことになっちゃうから。
友達は居たほうが良い。
けど、親友なんて立派なものは、あたしは持ち合わせてなかった。