ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜


病室の前まで来ると、看護師が残念そうに言った。


「まだ意識が戻ってないから、お話は出来ないけど……顔だけでも見てく?」

「そうします」


あたしは答えながら、皐に駆け寄った。

腕には点滴の針が刺さっていて、管をたどると大きな袋が三つもぶら下がっていた。

口には緑色のマスクが付いてて、呼吸と一緒にそれがわずかに曇ったのを見て、あたしはひどく安堵した。


──よかった………


意識はないらしいが、こうして安定した状態であることを確認できて、あたしは体中の力が抜けてしまった。

彼の無事を確認し、あたしは後ろで見守るように立って居た看護師に、意を決して尋ねた。








「皐は、一体何の病気なんですか?」







彼女の顔が、曇った。






< 37 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop