ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
皋は静かな口調のまま続ける。
「俺が永くないって知ったから?治らない病気だって知ったから、そうなの?」
「……それは………」
あたしは返す言葉が見当たらない。
図星だ。
あたしは皋が永くないと知ってから、そればかり考えていた。
後何日彼と過ごせるのだろう、あたしは彼が居なくなったらどうするのだろう、と。
「俺のこと、心配してくれてるのは知ってる。けど、まだ俺は死んでないよ。まだ俺は──…」
生きてるんだよ
そう言った彼の表情が、今にも泣きそうなものだったから、あたしは今、初めて自分の間違いに気付いた。
彼はまだ生きてる。
希望を捨てたわけじゃない。
黙って死を待ってるわけじゃないんだ。
「優里には笑っていてほしい」
あたしが皋に笑顔を望むように、彼もあたしに笑顔を望んでいたんだ。
だって、
大切な人にはいつも笑顔で居てほしいから。