ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜



皋は「ひまわり…」と呟いてから、目を輝かせて尋ねた。


「ねぇ、ひまわりってどんな花なの?」


皋の嬉しそうな顔が、あたしの頭から離れなくて、あぁ、やっぱりあたしはこの人が好きなんだと、改めて思い知らされる。


「ひまわりはね、いつも太陽の光を浴びて、眩しく咲いてるの。黄色くて、まるで地上の太陽みたいな花」


──…あなたみたいな花……


あたしのひまわりは貴方。


貴方が居なければ、あたしは今頃ここには居ない。


「そっか〜。そうやって、皆に幸せと笑顔を運んでるんだね」


にっこり笑って頷く皋。


「そうだよ。あたしの大好きな花。皋にも、見せたかったんだけどね…」


少しだけ暗くなったあたしに気付いたのか、皋は嬉しそうに笑顔で言った。


「見えなくてもわかる。たくさんのひまわりを、ここに感じる。ありがとう、優里」


──…貴女は俺の太陽だよ…






< 63 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop