ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
もし、皋の目が見えたら。
この景色を、一望することだって出来たし、あたしと目を合わせて会話することも、彼の知らないことを教えてあげることも出来たのに。
「……見えなくても良い」
皋が、あたしの心の中を覗いたかのように、絶妙なタイミングでそう言った。
「優里が傍に居て、それを感じることが出来れば、俺──…」
──見えなくても、良い──
「皋─…」
そう呟いた彼の顔が優しくて、あたしは思わず泣きそうになった。
あたしだって、皋が元気になってくれるなら、何も欲しいと思わないよ。
寧ろ、差し出したって良い。
「あたしは、ここに居るよ」
「……うん」
……あなたが笑顔で居られるなら……
「あたし、傍に居るから」