ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
真っすぐに病院に向かい、あたしは病室のドアを開けた。
皋はいつものようにベッドを起こして座っていて、あたしたちが来たのを知ると、顔を上げて出迎えてくれた。
「こんにちは。今日は…明奈ちゃんも居るのかな?」
「当たりー!凄いね、判っちゃうんだー」
皋は明奈にそう尋ね、人懐っこい笑顔を向ける。
それに対し、彼女も屈託の無い笑顔を向けた。
そんなやり取りが出来るのが、正直羨ましいと思う。
あたしはもう、作り上げたような笑いしか浮かばない。
悲しいことに、“心から”を知らないんだ。
彼を幸せにしたいなら。
あたしも笑わなきゃいけない。
そう、思うのに………