ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
その時、ふと窓辺に置かれた花瓶が目に入った。
そこには、ミニ向日葵が生けてあり、隙間が空いた窓から吹き込む微風に、控え目に揺れている。
「……それ…」
あたしが思わず指差すと、皋は笑った。
「良いだろ?俺、あの日から優里と見たひまわりが忘れられなくてさ。看護師さんにお願いしたんだ」
皋は窓辺に顔を向けて、まるで愛しい我が子を見るような表情をしている。
あたしはそんな彼を見ていた。
「不思議なんだ。なんだか、こうしてひまわりを置いてると、優里がいつも傍に居てくれてるみたいで、ホッとするんだ」
「───…えっ////」
それは、どう解釈すれば良いのだろう。
明奈は隣でニヤニヤしてるし。
「ねぇねぇ」
皋はあたしの状況なんかつゆ知らず、無邪気な笑顔で言う。
「また来年、見に行こう!」
あたしは勿論、頷いた。