ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
*ガラス越しのキス*
あたしがその知らせを聞いたのは、学校を終えて、いつものように病院に向かおうとしてた、そんなとき。
日が落ちるのが早くなって、まだ4時前なのに辺りは薄暗い。
曇り空の所為もある、けど。
「優里!」
カバンを背負ったあたしに、切羽詰まった声が掛かる。
あたしは振り向いた。
そこに立っていたのは顔を真っ青にした明奈で、彼女は震える唇を僅かに動かした。
「大変、だよ…」
「……え?」
明奈はケータイを握り締めている。
あたしはそれに視線を落とし、再び彼女に顔を向けた。
明奈は唇を結んだ。
そして、今にも泣きそうな声で言った。
「皋君の容態が……急変したって………!」