ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
あたしと明奈は、廊下を走った。
怒鳴る教師の声を無視し、ただひたすら走った。
嘘よ、嘘────…
昨日まで一緒に笑ってたじゃない───!
怪訝そうに眉を寄せる人たちを縫うように躱し、あたし達は病院に駆け込んだ。
「皋ィィ!!」
病院は静かにしなきゃいけないのに、あたしはそんなこと頭に無くて、病院に着くなり叫んでしまった。
エレベーターを待つ時間が勿体ないので、あたし達は階段を駆け上がり、皋の病室に向かった。
「優里ちゃん、明奈ちゃん」
看護師さんが顔を上げ、あたし達に気付いたのか、声を掛けてくれた。
「皋は!?皋はどうなってるんですか!?」
「優里ちゃん、落ち着いて!今集中治療室に搬送されたわ。今は先生を信じてあげて!」
看護師さんは暴れそうなあたしを押さえ、宥めるように言った。
あたしも力が抜け、その場にへたりこんだ。