ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
廊下の長椅子に腰掛けたあたしは、魂が抜け落ちたように壁に掛けてある時計の秒針を睨み付けていた。
それを見ていると、時間は止まらない、あたしはなんてちっぽけなんだろうと、今更ながらに思った。
「はい」
不意に頭上から声が降ってきた。
顔を上げると、ジュースを持った明奈が微笑んでいた。
あたしはそれを受け取って、呆然としたまま口を開いた。
「─…皋は、」
「…うん」
「皋は、助かるよね……」
明奈は顔を曇らせた。
しかし、すぐに笑顔を作った。
「大丈夫!ウチのパパを信じてよ」
「だけどッ………!」
あたしの頭はパニック状態だった。
ジュースの缶を潰しそうな程握り締め、明奈にしがみ付いた。
「そんなこと言ったって……!助からないかもしれないでしょ………」
あたしの頭は、真っ白で──…
「明奈のパパは……今まで何人殺したの………」