ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
あたしも明奈も口を開くことはなくて、時々聞こえるエレベーターの音や、歩き回る看護士の足音、低く唸る自動販売機の音など、沈黙しているようで賑やかな空間は、何と無く心地悪かった。
ただ、待ってることしか出来ない自分の無力さを、改めて感じるからかも知れないのだけれど。
「………何か飲む?」
今度は、あたしが彼女に飲み物を買おうと思い、気を紛らわせるのにも良いかと、腰を上げてカバンから財布を取り出した。
「…あ、そうだなぁ〜、さわやか緑茶、買って」
「さっきも飲んでたじゃんソレ。チョイスが婆さんだよね」
「いーの!ジャパニーズピーポーなる者、飲み物は日本茶でしょ!」
「ははは、わかったよ」
何とか気を紛らわせることが出来た。
彼女と会話をすると、少しだけ気持ちが和らぐ気がした。