ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜



不思議そうな顔をする皋。

あたしは続けた。


「変だよね。本当なら、皋の方が辛い事も苦しい事も一杯あるのにさ……。あたしの方が、ずっと幸せなのに……」


皋は黙ってあたしの話を聞いていたようだったが、やがて口を開いた。


「幸せの尺度はみんな違うし、今はホラ、思春期って言うんでしょ。悩む時期なんじゃないかな?俺はただ、毎日無駄に過ごしたくないだけなんだ」

「…え?」


皋は再びあの綺麗な笑みを浮かべた。


「辛い時や苦しい時こそ、笑顔で乗り越えれる人が、強い人なんだって俺は思うから。勿論、泣いたりするのも大事だよ。だけど、やっぱり悲しみより嬉しさを感じたいし……」


皋は窓辺のひまわりの方を向いた。







「死ぬときまで、俺は笑っていたいんだ」



その時の彼の笑顔は、時間が止まってしまうかのように美しく、手を伸ばさなければ離れてしまいそうなほど儚いものだった。






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