ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
◇第四章◇
*泣きたいくらい、*
帰宅すると、母が出迎えてくれた。
心配そうな顔をしてはいたが、怒鳴ったり、何をしていたのかと問い質すような事はしなかった。
彼女はきっと、あたしがそれを望んでないことを知っているのだと思う。
聞いて良いこと、いけないことを理解した、理想の母親なんじゃないかと、娘の分際で何を言っているのかと言われてしまえばお仕舞いだが、あたしはそう思ってる。
だから、喧嘩をしたことはほとんど無かった。
「ちゃんとお風呂入れた?ご飯は?」
「あ…お風呂……」
母に言われて、初めて気付いた。
あたしはそう言えば、風呂どころかシャワーの一滴すら浴びていない。
制服も着たまま、ワイシャツは皺になっている。
「お湯沸かしてるから。入ってきなさい」
母は台所に向かいながら言った。
皿を洗うたびに、その背中が揺れた。