ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
無事に学校を終え、あたしは病院に向かった。
明奈はいつもの仲良しメンバーのうちの一人が誕生日だということで、暗くなってから皋の様子を見に来ると言っていた。
あたしは一足先に、病室に向かった。
ベッドの上には、蝋人形のように生気を失った皋が横たわっており、閉じられた目蓋を縁取る長い睫毛が、鈍く射し込む夕日で扇形の影を作っていた。
「皋……」
思わず、あたしはその名を呼んだ。
返事はない。
何だかひどく不安で、あたしは皋の細く筋の浮き出た手を握る。
もう、目が覚めないかもしれない。
機械に繋がれて、一生を終えるかもしれない。
──そんなの、嫌……
「……皋…」
お願いだから、また声を聞かせてよ。
その時だった。
「…ゆ………り…………?」
「…!」
弱々しい声が、聞こえた。