ひまわり〜あたしの心に咲いた花〜
「…きっと……もう…何をしてもダメだよ……息も…苦しいんだ……喉が…潰されてるみたい…」
酸素マスクが意味を為していないと言うのか。
ならば、人口呼吸器を取り付けて、肺の機能を助ければ良いのではないか。
「……俺、もうダメかと思ったんだ…………発作を起こした、あの日…………死んだんだな、お母さんと、お父さんに会えるかなって………思った…………」
そこで、皋は咳き込んだ。
ヒューヒューと変な音がしている。
それでも、あたしはナースコールを押せなかった。
──…皋が……望むなら…
「……でもね…優里が、呼んでたんだ……遠くで………そっちに……行かないで、ってね」
「あたしが……?」
何だか恥ずかしくなった。
確かに、あたしはいつもベッドの脇で名前を呼んでいた。
それが、彼を呼び戻したのだろうか。
「それに……俺……優里に、言えてないことが有ったんだ……だから、誰も呼んでほしくなかった……最後は……優里だけに…言っておきたかった…事だから…」
───あたしに……?