僕の記憶が消えていく
『ごめん、待った?』
後ろから声をかけると彼女は振り返る。
寒かったのかそれとも…
薄らピンク色に染まった頬にグロスを塗ったであろう潤った唇
9ヶ月ぶりに会う彼女が少し可愛らしくなっていてドキッとした。
『先輩、わざわざ呼び出してすみません。実は私…先輩のことがずっと好きでした。…付き合って下さい。』
彼女は恥ずかしさを隠すため下を向いた。
僕は…
『僕なんかでいいの?』
ずっと彼女は僕のこと好きなこと知ってるくせに確認した。