僕の記憶が消えていく
『親父が事業に失敗して逃げたんだ。弁護士に入ってもらって離婚は出来たけど借金が少し残ってさ。おかんは精神的に病んで働けなくなっちゃって。だから…。』
世羅は家の事情を話してくれた。
『俺があいつら育ててやらないと。俺、馬鹿にされるかもしんないけど本気でプロ野球選手狙ってんだ。プロになってあいつらに好きな物何でも買ってやりたくて。でも今のあの学校じゃダメだよな。なんかそう考えたら…。』
世羅が野球への思いが強いのをひしひしと感じた。