僕の記憶が消えていく
『先輩寒い…。』
ブランコに乗りながら僕の手に彼女は触れた。
僕は柔らかな感触にドキドキがおさまらない。
緊張して思わず手を離した。
すぐに後悔して僕は自分の首に巻いていた黒いマフラーをそっと彼女の後ろに回り細くて白い首に巻いた。
『ありがとう。』
彼女が振り向き万遍の笑みで僕を見た。
僕は照れてる気持ちを隠しあぁと言った。
それから特に会話もすることなくただ腰かけて穏やかな時に過ごした。