僕の記憶が消えていく

『市の大会すごかったね。』


『うん、相手は昨年全国大会出場校だったから。』


『そうなんだ…じゃあ後の試合は楽かな?』


『わかんないけど…多分勝てると思う。』


『多分じゃないよ。瞬が投げれば絶対勝てるよ。』


今では香吏奈は僕のこと先輩じゃなく名前で呼んでいる。


『でも北原先輩が最後の大会だから…。僕じゃなくて先輩が投げるかも。』


『そうなんだ?瞬が投げた方がいいのに。』


『ありがとう。』


彼女の言葉は嬉しかったけどこればかりは監督が決めることだからどうなるかわからない。


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