僕の記憶が消えていく

『ううん。私たちも初日に行ったから。検査とかで疲れてたのにごめんね。』


『あっそうだ。イチゴタルトめっちゃ美味しかった。ありがとな。』


『うん。瞬はあそこのケーキ大好きだもんね。また今度一緒に食べに行こうね。』


『ああ、じゃあまた電話するな。』


俺たちは電話を切った。


何も知らない香吏奈


果たしてこれから俺が歩くことが出来なくなっても好きでいてくれるだろうか。


もしこれから俺が言葉を発せなくても愛してくれるだろうか。


これから先のことを思うと俺の心はまた閉ざされた。


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