僕の記憶が消えていく

〜瞬side〜

届くことさえできないなんて。


俺はその場に座りこんだ。


世羅と颯太が寄ってきた。


『瞬頑張れよ。あとちょっとで届くから。』


颯太が肩を叩いて励ました。


『ふざけんなよ。何頑張れっていうんだよ。いくら投げても届かねぇじゃねぇか。こんな簡単なこともできねぇなんて死んだほうがましじゃん。』


やけくそになって吐き捨てた言葉。


『ふざけんな!!何甘ったれたこといってんだよ!!』


世羅が俺の胸ぐらを掴んだ。


『お前がいなくなったら何人の奴らが悲しむと思ってんだよ!!簡単に死ぬとか言うな!!』


世羅は俺を睨みどこかへ消えた。


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