僕の記憶が消えていく

『お客さん旅行かい?』


キャリーケースをトランクに運んだからか中年の運転手が聞いてきた。


『はい、伊豆に。』


『伊豆かぁ?伊豆はいい所だよね。あそこに恋人岬があるって知ってるかい?』


『はい、そこに行きたくて。』


香吏奈は嬉しそうに言った。


そう、俺たちは今回香吏奈の要望で静岡県の恋人岬に向かっている。


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