僕の記憶が消えていく
第二章 病魔はゆっくり動きだす

入学式の日妹のメイも小学校に入学する。


『瞬、本当にお母さん行かなくても大丈夫?』


メイの支度をしながらお母さんが聞いてくる。


『大丈夫だって。それより早くいかないと入学式間に合わないだろ?』


『そうだけど…。』


心配そうに俺を見るお母さんを追い出して見送った。


『じゃあ鍵だけよろしくね。』


『わっかたよ。メイ気をつけてな。』


『はーい。いってきまーす。』


新しい赤いランドセルを喜びながらしょって出かけるメイと心配そうに何度も振り向くお母さん。


俺もうガキじゃねぇし。


心の中で呟きながら急いでブレザーを着て支度の続きをした。

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