A baby's leaf
ただ黙って後ろをついていく。
だんだん人気がなくなってきて、着いたのは空き教室。
彼の後に付いて教室に入ったあたしはつい声を出してしまう。
「へぇ~こんな部屋あるんだ」
今はまるで倉庫のようなその教室。
落書きの目立つ黒板と、粉状に潰れたチョーク。
やたらと数の多い机と椅子。
棚の中にはいつのものか分からない教科書類が散乱していた。
「俺のサボり場」
彼が悪戯っぽく笑って言う。
「サボっちゃダメだよ~」
あたしも冗談のように返す。
何だか不思議。
初めて話すのに、普通に馴れ合える。
そんなことを思いながらあたしは彼を見た。