A baby's leaf
「この前百合亜さんに振られたんだよ」
今度ははっきりと聞こえる。
お姉ちゃん。
聞いた瞬間に『適わない』と思った。
諦めようとすぐに思ってしまった。
周りにも認められて、あたし自身も自惚れていた。
あたしと圭介の『両思い』。
そんなのはただのあたしの『片思い』だった。
圭介があたしの家によったのも、全てお姉ちゃんに会うため。
あたしと遊ぶのは、お姉ちゃんに会いにくるついでだった。
あたしは圭介に慰めの言葉を掛けられなかった。
そして圭介にも。
あたしの失恋の傷を慰めることは頼めなかった。