A baby's leaf
「俺本当は百合亜さんに会う前は、ずっとお前が好きだったから」
圭介が真っすぐな目で見つめてくる。
あたしはただ呆然と圭介を見つめ返す。
嘘でしょ?
そんなあたしの気持ちを察したように圭介が笑って言う。
「本当だよ」
そしてまた真剣な顔で続ける。
「けど振られるの怖くてさ…百合亜さんに相談してるうちに、俺馬鹿だから百合亜さんに流されちゃったよ。」
圭介が俯く。
「それから少し経ってからお前の気持ちダチから聞いて…勝手だけどすっげぇ後悔した。ずっと引きずってた」
圭介の、膝に置いた手が震える。
「俺はお前のこと、百合亜さんと比べた事ねぇから。俺が馬鹿なだけだから」
あたしは首を大きく振った。
いつのまにか目から涙が零れ始めていた。
そんなあたしを圭介は強く抱き締めた。
「これからも友達でいて」