A baby's leaf



「俺本当は百合亜さんに会う前は、ずっとお前が好きだったから」


圭介が真っすぐな目で見つめてくる。


あたしはただ呆然と圭介を見つめ返す。


嘘でしょ?


そんなあたしの気持ちを察したように圭介が笑って言う。


「本当だよ」


そしてまた真剣な顔で続ける。


「けど振られるの怖くてさ…百合亜さんに相談してるうちに、俺馬鹿だから百合亜さんに流されちゃったよ。」


圭介が俯く。


「それから少し経ってからお前の気持ちダチから聞いて…勝手だけどすっげぇ後悔した。ずっと引きずってた」


圭介の、膝に置いた手が震える。


「俺はお前のこと、百合亜さんと比べた事ねぇから。俺が馬鹿なだけだから」


あたしは首を大きく振った。


いつのまにか目から涙が零れ始めていた。


そんなあたしを圭介は強く抱き締めた。


「これからも友達でいて」
















< 35 / 42 >

この作品をシェア

pagetop