先生、私が変えてあげる♪





「これ、大分前の、彼女のヤツなんですよ」





「あ!南美ちんのっ!?」






正輝が、驚いたような表情で、京を見つめた。






「まぁな。アイツ、これだけ残してって。捨てようと思ったんだけど、新しいし、もったいねえ・・・と思って」






京は、懐かしそうな表情で、黒の日傘を見つめた。






『南美』とは。





京が、高校時代に付き合っていた彼女である。





突然、姿を消した京の大切な大切な彼女。





今ではもう、会えなくなってしまったが、京のどこか奥に、未練が残っている相手だ。






「でも・・・そんな・・・使ってもいいんですか?」





「?いいですよ。もう、過去のことだし」






京は、亜子に向かって、優しい表情をした。

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