先生、私が変えてあげる♪




「お前も、よく立ち直ったよな」





「まぁねーー?元気にならないとぉっ!!






音羽が悲しむでしょ♪」






そう言って笑った正輝の顔は、どこか懐かしげで、寂しげだった。






「さぁ、美原先生が帰ってくる前に、朝飯でも作るかな」





「わほーーーいっ♪えっとねーオムレツ作ってーー♪」





「自分で作れ!!」






ジリジリと照る太陽の中、うるさく鳴く、セミの声。








俺たちが知った失恋は、今日みたいな暑い夏のデキゴトだった。






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