僕だけの瑠璃色
「よし、これで今日清美さんが来たら猛アタックしてらっしゃい。清美さんが余程の鈍感でないかぎり、落ちないわけないわ」


「…………アタック!?清美さんにアタックしてどうするの瑠璃!ベランダから突き落とす気なの!?」


「……………やっぱりなんでもないわ。パパは好き勝手してて頂戴」




そう、今日は清美さんが我が家に来るという日。

まだ実物は見たことがないから、ちょっとドキドキしてるわ。


まあ清美さんが来るのは遊びじゃないから、お仕事の邪魔にならないようにするつもり。


パパは朝からそわそわしてて、今朝なんかテーブルの角に小指をぶつけて半泣きになってたんだから。

きっとパパ、仕事のこと完璧にわすれてるわよね。






何たって、パパはきっと…













「……いいわねパパ。恋って…」


「……こここ…恋?!瑠璃声を抑えて!パパは恋なんて一言も……うがーっ!!」


「変な奇声あげないでよ。パパの方が声が大きいわ、静かにして」



どうやら、パパは高田清美さんに恋をしてるみたい。

ほら、パパのお顔が真っ赤。

あ、耳までも赤いわ。


これが恋じゃなかったら一体なんなのかしらね?








パパは…清美さんがママに似てるから、好きになったのかしら?

ママと清美さんを重ねてるのかしら…?



でも、パパが清美さんの写真を見ている時の綺麗な瞳は…、

恋、恋なんだけど、ママとは違いのよ。



ママに似ていても、似ていなくても、



パパはきっと、清美さんが好きになっていたと私は思うわ。




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