僕だけの瑠璃色
「ねぇ、パパは清美さんのどこが好きなの?」


「……え?!ちょ、パパはとくに好きってわけじゃ…いや、嫌いじゃないってだけで…いや好きだけどそうゆう意味ってわけじゃ…」


「そうやってしどろもどろからわかりやすいのよパパ。……ねぇ、どこが好き?瑠璃に教えてよ…」



あたふたしてあっち向いたりこっち向いたりしながらも否定するパパ。

そんなパパに甘えるみたいに抱き着いてみたら、パパったら瞳をキラキラさせて「うん!パパ清美さん好きだよ!」て眩しいくらいの笑顔で言うの。


……ふふ、パパって簡単ね。

でもこんなに簡単に騙されてちゃこの先不安だわ。


振り込め詐欺にでもあわなきゃいいんだけど…



















ピンポーン

















気の抜けるようなインターホンの音。

……誰かしら?



「る、瑠璃!来たよ来ちゃったよ清美さんんん!!」


「う、嘘…!早くない!?」


「清美さんはいっつも一時間前行動みたいなんだ!会社でもいっつも一時間前に来てて…」


「ちょ……それ早く言いなさいよ!ほら早く出て!!」


「う、うん……!!」



バタバタと二人で騒ぎながら、パパは玄関へ走る。


あ、……いけない。





「パパ、待って」


「………え?」



玄関の扉を開けて清美さんを迎える前に、パパを呼び止めた。

案の定、パパは不思議そうに首を傾げてる。




「………清美さんに…私のこと言っちゃダメよ」


「……え、なん…」


「好かれた人が子持ちなんて……厄介なだけよ。私の事は清美さんには内密にね。私は自分の部屋に隠れてるから」



有無なんて言わさないわ。

私の存在は、パパの恋愛においてとても邪魔な存在。

発展するものもしなくなっちゃう。



「お願いパパ。絶対言っちゃダメ」


「………瑠璃…」


「絶対、………ダメ」


「………」



私の真剣な思いを感じ取ったのか、納得していないようだけどパパは静かに頷いた。


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