鋼鉄の兎
青年 新開 翔(しんかいなつる)は この ゲームを ある種 熱狂的にやり続けていた。と 言っても家庭用ゲーム機だけだが、中学生時代にのめり込み 高校のランクを二つ下げてまで やり続けていたが ゲームセンターでのプレイ最初の登録費用 5千円 を 払う気がせず 
家庭用すらも しないようになってから 約二ヵ月

同じ中学の同級生で高校まで一緒になった 腐れ縁の友達 荒川 徹(あらかわとおる)が 誘いを掛けてきた。

徹が言うには、 登録費用が 掛かるが それ以上に稼げる  その一点張りだった。そう、 このゲームは 賞金制のゲームだったのだ。
戦場での戦果は突機のカスタマイズポイントか 賞金と言う 形で プレイヤーに 還元されるようになっている  自分はこの 二ヵ月で 充分に元を取っただから、初回の登録費用を出すから、一緒にしようとの 事だった。
賞金とは言え、徹が稼ぎだしたのを使うのは断った 翔だったが、押せ押せの勧誘に負けた形になり、高校終わりに 地元のゲームセンターを訪れたのだ。

ゲームセンターと言っても巨大アミューズメント以上の大きさであり、 8階建てのビルは地下一階から 四階全て 全て その ゲームに当てられていた。

『まぁ、まかしとけ!絶対元が取れるから』徹が自信満々に言いながら、一階電光掲示板をみていた。ここで 全ての階の空き情報が見れるのだ。

『おっ!並びで空いてる。地下に行こうぜ!』徹は更に続けて 足早に進んでいく 翔の言葉は聞く気がないようだ 

仕方無しに着いていくと、タッチの差で 一台埋まったようだ。徹は不満げに翔を見て 『どーするよ?』指を指す。
翔は球体形状になっている突機のコクピット部分を模しているゲームの中に頭を入れた 様々なボタン 計器 ハンドル  全てが家庭用ゲームに無く 新鮮に見えた 

徹を指差し やれよ と 指示すると、徹は直ぐ様 コクピットに入っていった専用のカードを差すと、入り口部分が締まり、声が小さくなる。中々の密封だなと 感心していると、 徹が一生懸命叫んでいた。
聞き取れねーよ!と 吊られて翔が叫ぶと 通路を挾んで 一台が空いてることを指で指していた。顔色は見えないが、叫びすぎて、多分 真っ赤だな と  はいはい と ジェスチャーをして 空いてるゲーム機に向かっていく。


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