燕と石と、山の鳥
「…………また…だ…」

「ひ…っ」




底冷えのする声音に思わず後ずさる。





「……レイコも……ミサも…ルミもサチもリエも!!
……誰も…誰も俺を好きにならない…愛してくれない…!!」




ざわざわと、猛る男の姿が変貌を始める。







「愛せよ……好きになれよォ……!」



骨張った手で顔を覆う。
その頭は生き物のように髪が不気味に揺らめいていた。



そしてその手が退かされた顔は、人の顔に作った粘土を無理矢理犬にしようとしたかのような、いびつな顔をしていた。






「…何…?何?なに?
なんなのよこれぇっ!?」

「…………ニクイ、……憎らしい………憎いいぃぃぃ!!」






思わず頭を抱えた梨里子の前に大きな影がかかる。






グルルァァァアァァァァァッッ!!!!


「ぅぐっ!」















「…………え?」
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