巡る巡る
孝太は気色の悪いニヤニヤ顔をクルリと俺の方に向けた。
「…なんだよ。きめぇ…。」
「蘭、蘭!
やべぇぞ、アレ!!」
そう言って
小さく指を指す。
…村田よりやべぇ訳?
そんな事を思いつつ、
炭酸水に口をつけながら
孝太が向けた指の方に顔を向けた。
「…………っ!
……ゴホゴホッ!」
「ギャハハ!
バカだ蘭~~~!」
噎せ変える俺をゲラゲラ笑っている孝太は腹立つけど、
今はそれどころじゃない。
「…ゴホッ…、なんだ…アレ……。」
「まじたまんねぇ~」
視線の先には、
友達と話す相沢。
問題は、その姿。
普段サラサラな黒髪から
水が滴って、艶々とした妙な色気を放っていて
ソックスをはいていない生足は、
彼女のスラッとした脚を露にして
スカートから覗く細い太股が
やたらとエロさを増していた。
「……やべぇだろ……。」