巡る巡る



「あの脚はやべぇな。
舐めたくなるもん。」


厭らしい顔つきで相沢を見ながら変態発言をする孝太。


「変な目で見てんじゃねぇよ…。」


孝太だけじゃない。
クラスの男が相沢をチラチラ見ている。

多分本人は無自覚でやっているんだろうけど。

そういうところが、
俺をまた焦らせる。



「そーいう事は
彼氏にでもなってから言えよ。
つか、さっさと告っちまえ。」


…分かってるよ。

俺がそんな事言える資格ないってことも。
相沢を見てる男共が無性にイライラするってのも、俺の単なる嫉妬にすぎない。
もし
相沢の彼氏にでもなれたなら、他の男にあんな姿見せさせないのに。
俺だけのモノにして、ずっと俺の腕の中で閉じ込めてやるのに。



「…つーか、
それを言うなら、蘭だろ?
……顔、赤いですよ…?」

「……はっ!?」





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