巡る巡る
バッと腕で顔を隠した俺。
そんな俺に
「余裕なさすぎでしょ~!ヘタレ~!」
なんて言ってゲラゲラ笑う孝太。
…余裕なんてあるわけねぇよ。
こっちは
いつ、誰に、とられるかって
すげぇ不安なのに。
熱くなった顔を隠したまま、
自然と目が追うのは
彼女の姿。
肩に掛けたタオルで髪を拭きながら友達と笑っている。
その笑顔が俺に向けられる日は来るのだろうか…。
「はぁ…。
まじでさっさと告白しろよ…。」
前から呆れた様なため息と一緒に聞こえてきた言葉に
「…分かってるっつーの。」
俺は小さく返した。