巡る巡る



道路を挟んだ向こう側。
ファーストフード店の前で、楽しそうに話してる男女4人。

その中に、
茶色い髪の背の高い男の子。


遠くからでも判る。

ほぼ1ヵ月ぶりの、彼の姿。


一気に体の血が巡る。
心拍数があり得ないくらい上がる。脈が速い。


チラリと見えた、彼の笑顔。

ドキドキドキドキ心臓が暴れる。







でも次の瞬間…、



足が、体が
動かなくなった。



「…なに…あ、れ……」


不意に一緒にいた一人の女子が
高山君の腕に、自分の腕を絡めたんだ。


息が、出来なくなった。



……だめ。

…早く帰らなきゃ。

…ここに居たら、


……だめ……っ。


あたしの中の何かが、そう告げた。
頭の中では、警報が鳴ってる。

あれは誰?
どういう関係?

……彼女…なの?




< 32 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop