巡る巡る
道路を挟んだ向こう側。
ファーストフード店の前で、楽しそうに話してる男女4人。
その中に、
茶色い髪の背の高い男の子。
遠くからでも判る。
ほぼ1ヵ月ぶりの、彼の姿。
一気に体の血が巡る。
心拍数があり得ないくらい上がる。脈が速い。
チラリと見えた、彼の笑顔。
ドキドキドキドキ心臓が暴れる。
でも次の瞬間…、
足が、体が
動かなくなった。
「…なに…あ、れ……」
不意に一緒にいた一人の女子が
高山君の腕に、自分の腕を絡めたんだ。
息が、出来なくなった。
……だめ。
…早く帰らなきゃ。
…ここに居たら、
……だめ……っ。
あたしの中の何かが、そう告げた。
頭の中では、警報が鳴ってる。
あれは誰?
どういう関係?
……彼女…なの?