巡る巡る
だけどやっぱり
無意識に彼女の姿を探している俺。
相沢を泣かせてしまって、果てしない後悔が襲ってきた。
その後、何となく気まずい感じがして、目に見えた変化はないものの、お互いに距離を作ってしまっている気がする。
全く発展しない関係に
自分自身にイライラする。
イライライライラ。
あー…ムカつく。
……おいそこ、
…イチャイチャしてんじゃねぇぞ。
「おい!蘭!」
「…てっ!!」
視界の隅に映ったカップルに心の中で毒ついていると、
後ろから孝太にどつかれた。
「ってぇな!何すんだよ!」
「ヤバいってお前!
知ってる!?未来チャン!!」
「は?相沢?
意味わかんね~。」
目をかっぴらいて俺に迫る孝太。唾が飛ぶからあまり近付かないで欲しい。
迷惑感を放出させながら俺は眉を寄せた。
「未来チャン!今、隣のクラスのヤツに告られてるって!」