巡る巡る



言ってすぐに後悔した。


言葉を理解した相沢が、
分かりやすく頬を赤く染めたから。

…これじゃ
『いる』って…、言ってるようなもんじゃないか。



『何でもない』
そう言おうとした。

君の口から、
そんな言葉を聞きたくなかった。



だけど
遅かったんだ。




「……いるよ……。
…ずっと、あたしの片想いなの……。」



相沢は、
頬を赤く染めながら
恥ずかしそうに微笑んで言った。







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