巡る巡る
「卒業おめでとーっ!」
飛び交う祝福に眩しいシャッター。
記念に友達と校門の前で写真を撮る。
デジカメで撮った写真を確認すると、丁度孝太の顔が散った桜の花弁で隠れていて笑えた。
校門の脇の立派な桜は3年前と何も変わっていなかった。
俺が初めてこの校門をくぐった、あの日。
今日と同じ様に暖かな風に桜が舞っていた。
そして見つけたんだ。
その艶めかしい黒髪を踊らす君を。
あの時から、
俺が追うのは君だけだった。
今だって同じ。
…ほら、
君から
目が離せない。