巡る巡る
あの時よりも長くなった綺麗な髪をなびかせて、
背筋をピンと伸ばした凛とした姿。
その柔らかい笑みは、
3年前と変わらない。
桜を背景にした彼女は
どんな女よりも美しく麗しい。
君の姿に、
また恋に落ちる。
もうどっぷりハマってるはずなのにな。
「……好きだ。」
そっと呟いた。
周囲の雑音に掻き消されて
届くことのない声。
「蘭せんぱ~い!
一緒に写真撮ってください!」
二人の後輩と思われる女子が、デジカメを持って寄ってきた。
「………ん。いいよ。」
愛しいその背中から視線を移して、ニコリと笑ってそう言った。
……ずっと、
好きだったよ……、
…相沢…。