巡る巡る
「蘭君は参加拒否です。
そんな辛気くせぇ顔で参加されると、こっちが盛り下がる。」
……え……、
「……はぁ…。
んな切ないですって顔で見つめてんなら、さっさと告白でもしてこいよこのヘタレが。」
「………。」
「もー卒業なんだし?
別にフラれてもいいじゃん。
玉砕覚悟で行ってこいや。」
「………。」
…いや、フラれたらよくないけど……。
相沢を見る。
鞄を肩にかけ、
卒業証書の入った黒い筒を片手に
校門の前にいる俺達の方へ
ゆっくりと歩いてくる。
「…ほら、
モタモタしてると未来チャン帰っちまうぞ!」
「……いや、…俺は……っ」
……諦めようと思ったんだ。
だって相沢には、
好きなヤツがいるって。
だからもう……、
これでも悩んで考えた答えだった。
あんなに考えた答えなのに、
頭では解ってても、
無意識に追う彼女の姿。
心はまだ、
好きだと言ってる。