刹那の憂い(セツナのウレい)
あたしはのろりと顔を上げた。

いや、

ただの隣人なんですけど。

でも、

否定する、

元気がないし、面倒なので、

「かわいいよね~」

同意してヒンシュクを買う。

「その、かわいいのを、手に入れちゃってるくせに~」

別に、

手に入れた、

覚えはない。

ああやって、

時折現われる野鳥を、大事にそっと眺めてる。

くらいの感覚の立場でしかない。

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