刹那の憂い(セツナのウレい)
意識が遠のく。

心地よい、眠りの世界が、あたしを誘う。

「紫苑ちゃん!!」

刹那の声。

目を開けると、

刹那が傍にいた。

かろうじて、

重力は足の下にあって。

あたしは倒れそうなところを、

抱きとめられたらしい。

ああ、刹那だ。

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