刹那の憂い(セツナのウレい)
って、ハッとして起き上がる。

人のうちで真剣に眠りこけてしまった。

何て迷惑な。

けれど、刹那の姿はない。

出かけちゃったのかな。

布団をベットに戻してドアに向かう。

と、ドアに白いものが貼り付けられてあった。

メモだ。

『がっこ行く』

がっこ?

学校か。

大学生だもんな。

メモの端に、

鍵も貼り付けられてある。

あたしはそれを剥がして部屋を出た。

ロックして、

ドアポストに鍵を返す。

仮眠のお陰で、

自分の部屋までたどり着く、体力が戻った。

けど、

やっぱり自分の部屋でも、倒れこんで眠った。


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