刹那の憂い(セツナのウレい)
みんなそうじゃないけど、

ヒデタダなんて、

絶対そうだ。

あんな癖のあるヤツ、

雇うなんて。

「ツブれれば?」

あたしはボソっと言った。

けれど、

『行けって言ったら行くのよ。

人が足りないんだから。分かったわね』

いつもの高圧的な態度。

「わかった。

じゃ、喫茶店にはもう行かないよ。

あたしの穴埋め、任せたから」

まだ何か言われないうちに、

あたしは通話をオフにした。

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