刹那の憂い(セツナのウレい)
「一件落着?」

刹那がそれを見送ると、振り返った。

「うん」

出来れば一緒に働きたくないけど。

「で?」

刹那が、面白そうに、あたしを見ている。

何で?

思って、見つめ返す。

「オトコギライだとは知らなかった」

って、それか。

「言い間違えた。『オトコオトコしたのが嫌い』って言いたかったんだけど」

「それは、ものすごくいい間違ってるね。まあ、ヒデタダには良かったかもしれないけど」

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